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榎本工業 技術ニュース

vol.90｜榎本工業株式会社

榎本工業では、お客様のご要望に合わせ、小型加工機のカスタマイズにも対応しております。

今回は、時計業界のお客様より「長年使用してきたコート・ド・ジュネーブ仕上げ用の設備が老朽化し、品質や作業性に課題が出てきたため、新たな設備を製作したい」とのご相談をいただきました。これに対応したカスタム事例をご紹介します。

なお、コート・ド・ジュネーブ仕上げとは、時計や装飾品、精密機器に施される、美しい波模様のストライプ装飾を指します。高度な見た目の美しさだけでなく、加工精度や作業の再現性も求められる繊細な仕上げです。

本事例では、榎本工業の小型NCフライス盤「CVN-1000」をベースに、お客様の加工ニーズに応じた各種カスタマイズを実施しました。

カスタム内容

① 標準のXYZの3軸に加え、手動のA軸・C軸を追加
（5軸相当の制御が可能に）

② テーブル上に専用の手動スライド治具を設置

③ 標準機ではPCだったものを、コントローラでのボタン操作に変更
（デジスイッチと各種操作ボタンを追加）

④ 作業性と省スペース性を考慮し、専用の作業台を製作

⑤ X軸の送り速度を10段階で調整可能

⑥ Y軸の送りピッチを0.1mm～9.9mmの範囲で設定可能
（⑤と⑥はコントローラ付属のデジスイッチで設定）

⑦ Y軸の前進・後退をボタン操作で制御可能

⑧ 主軸回転数を最大3,000rpmまで調整可能

CVN－1000標準機の特徴

・小型ながらも高精度加工を実現したコラムタイプのNCフライス盤

・コンパクトサイズ（寸法：W380 × D603 × H590）で、

　省スペースかつ省エネルギーな生産環境を実現

・ワークサイズ（mm）：100 × 100 × 50 に対応

・ワークに合わせた専用冶具のご提案にも柔軟に対応

・幅広い用途に応じた主軸容量変更、ストローク変更、クーラント対応が可能

・ベルト、サッシ、医療機器部品など多分野での導入実績あり